妙國寺(堺市堺区)は日蓮宗の寺で16世紀半ばに開山しました。境内には樹齢1100年を超える国指定の天然記念物のソテツがあります。このソテツには伝説があります。安土桃山時代に織田信長の希望で安土城に移植されましたが、毎晩寺が恋しいと泣き怒った信長に切り倒されそうになったものの切り口から血を流し苦しむソテツにおびえた信長が寺に返したというものです。日本で唯一のソテツを配植した枯山水庭園があり堺の名所となっています。妙國寺(堺市堺区)のこの庭園には堺の裕福な商家で倉庫業を生業とする納屋衆の家に生まれた千利休が寄贈したといわれる瓢箪型の手水鉢もあります。織田信長、豊臣秀吉に仕え、わび茶を完成させた茶人です。楽茶碗の制作や竹の花入れの使用や、草庵の茶室を普請するなどしています。茶の湯を総合芸術としてとらえ一期一会の充実した時間を過ごすことが出来るよう心を砕いたのです。このように天下の茶人となった千利休ですが妙國寺への手水鉢の寄進は故郷の堺に寄せる思いを推察できます。この寺は1868年に堺港に上陸したフランス兵が婦女子に乱暴しようとし起きた堺事件でフランス兵を殺傷した佐藩士が切腹をした場所でもあります。