妙國寺は、大阪から電車で約40分、南海高野線堺東駅から北西に歩いて約10分の場所に位置します。
日蓮宗が本山の妙國寺(堺市堺区)は、森鴎外が1914年(大正3年)に発表した小説「堺事件」の題材になりました。
森鴎外の「堺事件」は、土佐藩士が妙國寺の境内にてフランス兵士を殺害した責任から切腹を命じられ、命を落とすまでの経緯を非情かつ冷静な文体で描ききった歴史小説の金字塔です。
創作でありながらも、その当時の様子は史実に忠実です。寺の境内には、歴史を語る上で欠かせないものたちを見ることができます。まず、庭園には、堺市指定名勝で国指定天然記念物のソテツ(蘇鉄)。このソテツは織田信長が移植のため切り倒そうとしたところ、その切り口から鮮血が流れたという伝説のソテツです。
また、千利休が戦国武将をもてなす際に用いたとされる、利休ゆかりの手水鉢や灯篭も残っています。
土佐藩士の無念、そして、切腹という儀式を通して語られる藩士の潔さと勇敢さ。
妙國寺前の宝珠院に葬られた、藩士のお墓を前にすると感慨深いものがあります。
森鴎外が描いた幕末の壮大な歴史小説、妙國寺(堺市堺区)を訪れ、その雰囲気を味わいながら再読してみてはいかがでしょうか。