「耳なし芳一」の舞台となったお寺であり(現在は神社であって、お寺ではありません)、赤間神宮のすぐ隣には、中国地方では唯一の御陵である安徳天皇のお墓があり、安徳天皇と平家一門の武将を祀る平家ゆかりの神社として知られています。安徳天皇は平清盛の孫であり、源平合戦「壇ノ浦の戦い」において二位尼(安徳天皇の祖母であり、平清盛の妻)に連れられて瀬戸内海に沈み、幼くして犠牲となった悲劇の天皇です。
このようなゆかりを聞くと、なんだかご利益よりも呪いの印象を感じなくもないですが、強い情念はそれだけ強力な霊力を生むようです。その点では学問の神様の菅原道真と同様かもしれません。赤間神社はパワースポットとして有名で、家内安全、開運招福、国家鎮護、安産祈願などのご利益を求めて多くの人たちが訪れています。明治維新をきっかけに阿弥陀寺から神宮となり、整えられたその姿が竜宮城をイメージさせることも、神秘的なイメージを醸し出しています。
「耳なし芳一」や、竜宮城の乙姫様との約束を破って玉手箱を開けてしまった「浦島太郎」にならないためにも、単なるパワースポットとして訪れるというよりは、安徳天皇や平家の衰亡の歴史を学び、敬う敬虔な気持ちで訪ねる方が良い場所です。そうすれば、きっと何か良い力を与えてくれると思います。