妙國寺(堺市堺区)には霊木ソテツと呼ばれるソテツの木があります。こちらの木には非常に興味深い歴史があります。昔、戦国時代の織田信長が、南の国から妙國寺(堺市堺区)にやって来た珍しいソテツに興味を持ち、権力でもって安土城へ移植しました。ところがそのソテツは、妙國寺に帰りたいと毎夜すすり泣き不気味がられました。その状況に怒った信長が部下にソテツを切らせたところ、切り口から鮮血が流れ出、大蛇のようにのたうったとのことです。あまりにも気味が悪いため、妙國寺に送り返しました。切られたソテツは衰弱して枯れそうな状態で返されたのですが、日珖上人が読経したところ回復したため、ここから「蘇鉄」と呼ばれるようになったと伝えられています。この言い伝えは、江戸後期に書かれた武勇伝である「英傑三国誌伝」にも登場しており、織田信長を震撼させたソテツの伝説として有名です。現在で樹齢1,100年と言われており、堺では唯一つの、国の天然記念物にも指定されています。また、この妙國寺は永禄5年建立の寺ですが、2度の大火をくぐり抜けた霊木ソテツとしても有名です。1度目は大阪夏の陣で、徳川家康妙國寺に有りと聞きつけた豊臣兵により火を放たれ、2度目は堺大空襲により寺が消失しています。現在の寺は再建されたものです。妙國寺(堺市堺区)と霊木ソテツにはこのような歴史があるのです。